京都・安祥寺

あなたの名が歴史に刻まれる。
復興衆メンバーを限定募集!

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推し旅プラン

古刹の歴史に名を刻む
京都 安祥寺 復興特別体験

申込期間は終了しました。

京都山科の地に848年に創建された吉祥山宝塔院安祥寺。当時の皇太后の発願により創建された特別な寺院で、かつては山科一帯に広大な寺領を有したと伝えられるも、戦国時代には寺宝の多くが散佚し、荒廃はその極に達しました。長い間一般拝観を受け入れておりませんでしたが、現住職が受け入れに向け境内の整備に着手されました。この度、「推し旅」では2022年度に実際に安祥寺を訪れて、復興プロジェクトに参画いただく「復興衆」を募集します。単にご志納を納めるのではなく、作務にもご参加いただくことで直接的に復興の歴史に携わる特別体験です。歴史ある古刹を未来へとつないでいく、復興プロジェクトがはじまります。

ポイント ポイント

復興プロジェクトへの特別参加
現地での作務を3回に渡り実施し、復興に直接的に関わります。
①安祥寺の原点・聖域でもある青龍社への苔植え(5-6月)
②四季を通じて境内を彩るモミジ・ドウダンツツジ・マンリョウの植栽・植樹(10月)
③桜の植樹、御礼状の授与(3月)

本堂への御芳名奉納
復興プロジェクト参画メンバーとして、御芳名を銘板に刻み、本堂に奉納します。
文字通り安祥寺の歴史に名を残していただきます。

「メンバー木札」「メンバー法被」の授与
安祥寺は通常非公開のため、特別拝観実施期間のみ拝観が可能です。お寺が開かれている期間に、メンバー木札を提示すると、提示したご本人のほか同行者2名まで拝観料なしでお参りが可能です(2023年6月まで。特別拝観は年10回程度を予定しており、期間は随時お知らせいたします)。また作務の際などに着用いただける、メンバー限定法被をお渡しします。

大晦日 除夜の鐘付き体験
2022年12月31日に実施される、除夜の鐘付きの参加枠を確約いたします。

復興特別体験開催日
①: 2022年5月21日(土)、6月18日(土)、25日(土)
※上記3日間のうち、ご希望の日を1日お選びください。
青龍社への苔植にご参加いただきます。
昭和28年に青龍社内から三匹の龍が彫刻された石柱(蟠龍石柱)が発見されたことから、苔で龍を表現します。またご住職より安祥寺の歴史について解説いただきながら、ご本尊の十一面観音菩薩を特別拝観いただきます。
②: 2022年10月15日(土)、22日(土)
※上記2日間のうち、ご希望の日を1日お選びください。
青龍社と観音堂(本堂)の間への植栽・植樹にご参加いただきます。
種類はモミジ、ドウダンツツジ、マンリョウを予定しており、春から秋にかけて季節ごとに境内を彩ることを目指します。
③: 2023年3月11日(土)
青龍社横と多宝塔跡前への植樹にご参加いただきます。
種類は、サクラを予定しております。毎年春にその成長と開花を見届けたくなるサクラを植えます。また復興衆としての活動に御礼状をお渡しします。
開催日: 第1回 2022年5月21日(土)、6月18日(土)、25日(土)
第2回 2022年10月15日(土)、22日(土)
第3回 2023年3月11日(土)
場所: 吉祥山宝塔院安祥寺
時間: 集合 9:50(安祥寺前受付・現地集合)
体験開始 10:00
体験終了 12:30
※2回目以降も同じスケジュールです。
募集定員: 20名
旅行代金: 100,000円(おとな・こども同額)
(代金に含まれるもの:拝観料、芳名奉納、花木代、苔植講師代、木札代、法被代)
※集合場所までの移動に掛かる交通費は含まれておりません。
申込締切: 1回目の実施日のそれぞれ3日前(先着順、定員に達し次第募集を終了します。)

ご案内・ご注意

※必ずご確認ください※

当イベントは、東海道・山陽新幹線のネット予約&チケットレス乗車サービスであるEXサービス(「エクスプレス予約」及び「スマートEX」)の会員登録がお済みの方のみお申し込みいただけます。
※「エクスプレス予約」「スマートEX」のサービス詳細については、以下をご参照ください。
(https://jr-central.co.jp/ex/point/smart-difference/)

雨天決行となります。ただし、悪天候により実施内容の一部変更したり、開催を中止する場合がございます。また新型コロナウイルス感染症の感染拡大状況や、政府や自治体等からの要請・指導等を考慮し、体験内容の一部変更や追加の感染症対策をお願いする場合がございます。これらの内容をご了承いただいた上でお申込みください。

2回目の参加日は、1回目にご参加の際に係員よりご希望のお日にちをお伺いいたします。

1回目参加以降、2回目、3回目の体験や、除夜の鐘付きに参加されない場合は、お客様の権利放棄となり、払い戻しは致しかねますので予めご了承願います。

苔植、植栽、植樹は、一定の量や本数で行います。

苔植、植栽、植樹をおこないますので、動きやすく、汚れてもかまわない服装や靴でご参加ください。

境内での飲酒、喫煙は固くお断りいたします。

植栽後の維持管理は安祥寺にて行いますが、天候などにより枯損する場合がございますので、予めご了承ください。

<新型コロナウイルス感染予防に関するお願い>
参加時のお願い

必ず不織布マスクを着用ください。不織布マスクを着用していない方の参加はお断りします。

検温で37.5度以上の熱がある方は参加いただけません。その他、強い倦怠感、感冒様症状(咳、咽頭痛、息苦しさ等)、味覚・嗅覚異常などの異変がある場合はご参加をお控えください。

こまめな手洗い、アルコール消毒液による手指消毒、咳エチケットの順守をお願いいたします。

<当イベントに関するお問い合わせ先>

(株)ジェイアール東海ツアーズ「ぷらっと旅・コールセンター」03-6860-0810(10:00~18:00 年末年始除く)

(株)ジェイアール東海ツアーズ「ぷらっと旅・コールセンター」03-6860-0810(10:00~18:00 年末年始除く)

インタビュー

皆様と、安祥寺を再び人々の
“心を照らす”お寺にしていきたい。

京都の山科にある安祥寺は、開基は弘法大師の孫弟子の恵運(えうん)。平安時代の嘉祥元年(848年)の創建以来、かつては山科一帯に広大な寺域を有し、上・下両所の大伽藍には700余の坊舎があったと伝えられる古刹です。しかし約1200年の歴史の流れのなかで荒廃し、規模を小さくしながらも現在まで、幾つかの貴重な仏像をひっそりと守り伝え、歴史を積み重ねてきました。
平成29年、新住職になり「これでは“寺”本来の役目をはたしていない、多くの人が集える寺にしていければ」と立ち上がられた藤田住職に「安祥寺 古刹復興プロジェクト」の目指すことをお伺いしました。

―安祥寺は、普段は非公開です。近年特別拝観で公開された際は、多くの参拝者が訪れましたが、なぜ特別公開を始めたのでしょうか?

藤田瞬央住職:平成30年に私が住職になった時は、致し方ない理由もあり、庭などの手入れができておらず、とてもではありませんが、皆さまに参拝していただける状態ではありませんでした。ですが、安祥寺には「本尊 十一面観音菩薩」(重文)をはじめとした貴重な文化的遺産が数多く残されています。私は、文化財を持つ寺には、これらを健全に後世に伝えていくと同時に、「多くの方々に見ていただく」という務めもあると考えています。ただ朽ち果てさせていくわけにはいきません。そこで、まずは皆さまが安心して寺にお参りいただけるようにしようと、少しずつでも整備をしていくと決めたのです。

―昨年(2021年)11月には、その整備計画の第一弾ともいうべき「鎮守 青龍社(青龍大権現御宝殿)」の修復が終わり、「修復落慶法会」が行われました。

藤田瞬央住職:青龍社は安祥寺発祥の原点であり聖域なので、修復、整備もここから始めることにしました。整備を始めた頃は、御堂の近くまでお参りすることが難しいほど参道周辺が荒れた状態だったのですが、約2年かけて、修復と周辺の整備をすることができました。青龍社が修復できたことで、ようやく皆さまに寺を見ていただくための「第一歩」を踏み出せたと感じています。

―今回のプロジェクトでは、参加する方々に、“復興衆”としてその青龍社の周りに苔植を行ない、育っていく様子を見守っていくという役割を担っていただくことになります。

藤田瞬央住職:青龍社の御神体である「蟠龍石柱」(現在は京都国立博物館寄託)にならい、社の両脇に龍に見立てた形に、苔を植えていただこうと考えています。周りの森は深いですが、青龍社の真上は、木々の枝が途切れていて、空が見えるので、そこに向かって龍が昇っていくイメージです。

―一般の人々が、寺の境内で実際に手を動かして苔や木々を植えて育てる体験ができる、とても貴重な機会です。今回のプロジェクトを行なうに至ったのは、どういった思いがあってのことでしょう。

藤田瞬央住職:確かに、境内の清掃などの奉仕作業や、写経などの宗教的体験をしていただくことはありますが、今回のように寺の整備そのものに関わっていただくことは、私の知る限り他ではあまり行われていない試みです。今回、青龍社の修復ができたタイミングで、皆さまにお手伝いをしていただこうという思いに至ったのは、そういった作業を通して、深く継続的に関わっていただくことで、安祥寺のことを「好き」になっていただきたいという思いと、皆さまのお力添えをいただいて、安祥寺が本来あるべき「お寺」になっていければという思い。そのふたつがあってのことです。

―ご住職のお考えになる「お寺」のあるべき姿とはどのようなものでしょうか。

藤田瞬央住職:「寺(てら)」の語源は「照らす」だ、という学説がありますが、私も寺は人々の心に光を照らす存在であり続けてきたのでは、と考えています。境内を参拝して、仏様の姿に慈悲や寛容、優しさを感じ、命のありがたさに思いを馳せ、何かしらの学びを得る。そんな場所だったからこそ、「お寺」には古来、人々が自然に集って、大事にされてきたのではないかと思うのです。
安祥寺には1200年に及ぶ歴史があります。時代による栄枯盛衰はありましたが、貴重な仏像や建造物をはじめとするすべてのものは、過去から未来へつながるお寺の「命」としてここまで残されてきました。僧侶のみならず、寺に関わる多くの方々のお力添えで守られてきたそれらを、未来に向かって引き継いでいくためにも、今を生きる私たちが、未来永劫続いていくような「これからの安祥寺」を作っていかなければ、という思いが強くあります。そう考えた際、今、申し上げたような「みんなのためにあるお寺」が、目指すべき、あるべき姿として浮かんできます。

―安祥寺の復興計画は、今後どのように展開されていくおつもりでしょう。

藤田瞬央住職:堂塔伽藍があってこそ、災難や困難を取り除き、皆を照らす「寺」となります。そのためにも、地蔵堂や大師堂といった建造物や、そこに置かれる仏像なども修復しつつ、整備していければと思っています。さらに言えば、明治時代に焼失した多宝塔を再建して、そこの本尊である「五智如来坐像」(注:国宝。現在は京都国立博物館寄託)を再びお迎えして、本来の安祥寺の姿に復興させたい、という思いも持っています。もちろん、時間も手間もかかる計画ですが、実現に向けて動いていけたらと考えています。

―そのような「お寺」の未来を作っていく計画の一環として、今回の「古刹復興プロジェクト」をとらえると、参加する心構えも変わってきそうです。

藤田瞬央住職:苔植や植栽、植樹も、仏様や御堂をより際立たさせていくためのものと考えています。花見や紅葉のライトアップなど見た目のきれいさだけなら、お寺じゃなくて公園でも良くなります。今回、桜の木を植えていただこうと考えている場所も「ここに桜があれば青龍社がより引き立つのでは」というご意見を、ある方からいただいたことで決めました。「お寺」としての本分を守っていくことを第一義に、整備を進めていけたらと思っています。

―境内で作業をすることで、どのような体験をしてもらいたいとお考えでしょうか。

藤田瞬央住職:「虚(むな)しく往(い)きて実(み)ちて帰る」という言葉があります。これは弘法大師が唐に留学し、20年はかかるとされていた密教の学びを、わずか2年で修め、帰国した際におっしゃった言葉です。ここで言う虚しいとは、空っぽの状態のことを指します。つまり「行くときは空っぽの心で行ったが、帰るときには充実し、満足することができた」という意味です。
今回、参加してくださる方々も、先入観のない「空(くう)」の状態で寺にお越しいただき、汗を流して一心に作業をしていただくことで、様々なものに向き合い、何かを受け止められることになるでしょう。そこで得るものは、必ずしも形あるものではないかもしれません。「こう感じてほしい」という思いも、私にはありません。ただ、寺で過ごした時間で得た「何か」で心を満たして、日常の暮らしへと帰っていく。この「虚往実帰(きょおうじっき)」を、参加した皆さまが体験していただければ、と願っています。

―今回、参加いただく方々には、除夜の鐘つきや、植栽など何度かにわたり、安祥寺を訪問することができます。一度ではなく、継続的に安祥寺に赴く仕組みにしたのはなぜでしょうか?

藤田瞬央住職:ここに何度か足を運んでいただきたいのは、体験が終われば関係も終わりではなく、これまでとは異なる「お寺」との距離感や関係性にしたいと思っています。ご自身が植えた苔や木の育ち具合も見守りつつ、何度も、何年後も足を運んでいただければと思います。そして、ここで過ごしたひとときで、何をお感じになったか、お聞かせいただきたい。私たちもそこから様々に学んでいきたいのです。安祥寺を、集ってくる人々の心の内を照らし、それぞれが学びを得ることのできる「照らすお寺」にしていけたらと考えています。ぜひ、お力添えいただければと願っております。

■お話を伺った方
真言宗 吉祥山宝塔院 安祥寺
第六十六世 藤田瞬央住職